ウォーターサーバーの水にも賞味期限があることをご存知ですか?
交換用ボトルの上部やシールなどに「この日までに飲んでください」という記載があるのを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
ペットボトル詰めのミネラルウォーターにも賞味期限が書かれているものです。
また、期限を過ぎた水が手元にある場合、飲み水として使っていいのかも気になりますよね。
今回は、ウォーターサーバーの水を飲める期限や水の質が変わる理由など、お水を美味しく飲むための知識についてご紹介します。
まずはウォーターサーバーのお水を美味しく飲むために決められた期限の目安から確認していきましょう。
ウォーターサーバーのボトルに記載されている賞味期限は、未開封の状態であることを前提としています。
天然水や炭酸水などであれば未開封状態で半年から1年、開封後なら2週間が美味しく飲める期限となります。
「RO水」と呼ばれる特殊なろ過を施した水ですと比較的長く、未開封状態で1年、開封後で1カ月が飲み切りの目安です。
天然水とRO水の期限の違いは、RO水がろ過によってミネラル(ナトリウム・マグネシウムなど)を取り除いていることにあります。
混ざる不純物が少なく精製水に近くなるほど、水の賞味期限は長くなります。
後ほど「水が腐る」といううわさの真偽についてご説明する時に、詳しく解説しますね。
ウォーターサーバーの水に限らず、食品には品質を維持し安全に食べられる期限の目安「消費期限」「賞味期限」が設定されています。
「消費期限」は製造後や加工後、急速に劣化する恐れがある食品に表示するもの。
「賞味期限」は、「消費期限」が設定されるものと比べて品質の劣化がゆるやかな食品に表示します。
ウォーターサーバーの水は衛生管理や品質管理を徹底してご家庭へと出荷されています。
しかし、天然水を美味しく飲んでもらうことを目的に酸化防止剤や防腐剤など、品質を長期間一定に保つ添加物は含まれていないのです。
カルキ臭さがないことからもわかるように、水道水に含まれる塩素ももちろん入っていません。
そのため劣化は否めず、ユーザーが品質の落ちた水を飲まないようにと賞味期限を記載することで対応しているのです。
ウォーターサーバーのボトルやペットボトルなど、水を入れて密封された容器を一度でも開封すると空気に触れやすくなり、したがって雑菌が増えやすくなります。
上で記載した「開封後」の期限を目安に、早めに飲み切りましょう。
ウォーターサーバーの水は水道水よりも品質保持成分が少ないので、ボトルに汲んで持ち歩いたり、お茶や水出しコーヒーなどを作るのに使用したりした場合も早めに飲み切り、長い保存は避けましょう。
冷蔵庫でも長持ちさせることはできません。
紹介した期限はあくまでも目安ですので、メーカーの指示に従って飲むようにしましょう。
未開封のウォーターサーバーの水は正しい状態で保存しましょう。
メーカーの指定があれば、その表記に沿うのがベスト。
直射日光が当たる場所や湿度の高い場所に保管すると、水の温度が上がって劣化の進みが早まる可能性があります。
未使用のボトルが届いたら、直射日光や湿気を避け、風通しがよく涼しい場所を選んで保管しましょう。
未開封のお水であっても賞味期限が設定されているということは、期限が切れた未開封の水は飲用として使うのが好ましくないということ。
もったいない! と思ってしまいますよね。
ボトルの封を開けていないのであれば衛生面の問題は発生しづらいですが、それでも風味の劣化はまぬがれません。
飲用ではなく別の用途を見つけましょう。
ウォーターサーバーの水をお皿洗いや野菜の洗浄、炊飯用に活用することも可能です。
洗顔、歯磨きといった使い道もあるでしょう。
使いきれないボトルの水を、災害時の断水に備えて備蓄することもできます。
配水が経たれた場合、生活の質は大きく下がります。入浴や排せつ、炊事、洗濯が困難になったことについて、過去に被災した人の多くが「最も大変だった」と答えているのです。
(参考:国土交通省近畿地方整備局 震災復興対策連絡会議 阪神・淡路大震災に学ぶ 第2章「水に困らない避難生活のために」)
ただし、あくまで生活用水として使うようにしましょう。飲用としては賞味期限が切れているものですので、飲み水は別に用意するのが無難です。
アウトドアやレジャーを趣味としている人であれば、キャンプなどでちょっとした食器洗いや手足を洗うといった場面が思い浮かぶはず。
賞味期限の切れたウォーターボトルがあれば、手軽に利用できますね。
ここまで「水の賞味期限切れ」についてお話してきましたが、気になるのは「劣化って、どういう状態になっているの?」ということ。
水が腐る、という言い方をする人もいますが、実は理論上水が腐ることはないのです。
ここからは水の品質劣化について詳しくご説明します。
学校の授業で「有機物」「無機物」について学習しますよね。
炭素を含んだ物質を「有機物」、含まない物質を「無機物」と呼びます。
水は水素原子(H)2つと酸素原子(O)1つが結合した「H2O」という分子であり、炭素原子(C)を含まないため、無機物に分類されます。
また「腐る」「腐敗する」という言葉は、有機物が微生物の作用によって変質することを指しています。
水は有機物ではなく無機物なので、水そのものが腐る(腐敗する)ことは理論上あり得ないのです。
放置された水の質が劣化するのは、水の中に入っている有機物の栄養分が腐敗していることが原因です。
変な臭いがしたり、色が変わっているように見えたりしている水は「腐った水」ではなく、正確には「腐ったように見える水」です。
開封して水が空気に触れたことで微生物が入り込み、水の温度や湿度変化によって分解され変質すると、あたかも水が腐っているかのように見えるのです。
水質の劣化について知っていくと、細菌やカビ、微生物の話は避けて通れません。
「家に設置したウォーターサーバーの水を毎日飲んでいるけど、本当に大丈夫かな……」と不安になってしまいますよね。
しかし、ウォーターサーバーは飲用に特化して水を供給するものなので、衛生面には細心の注意が払われているのです。
一定のメンテナンスはもちろん大切ですが、サーバー自体も雑菌の繁殖を抑えるためにきちんと考えられていますよ。
お伝えした通り、水の中で雑菌が繁殖する原因は空気に触れること。
ウォーターサーバーの水はボトリング時に密閉されているので、開封するまでは空気と接触することなく品質を保てます。
雑菌の混入リスクを最大限減らすため、ウォーターサーバーには、サーバー内を清掃する機能や水に触れる空気をきれいにするエアフィルターなどの衛生機能が搭載されています。
ウォーターサーバーは赤ちゃんのミルクや離乳食用に導入する人も多いというほどですから、飲み水の安全性にはかなり気を使っているのですね。
衛生面を重視してウォーターサーバーを選ぶなら、料金や口コミの評判だけを確認するのはちょっと待って。
より衛生的な選び方のポイントをご紹介します。
ボトルを配送するタイプの場合、「リターナブルボトル(ガロンボトル)」と「ワンウェイボトル」のうちどちらかが採用されています。
リターナブルボトルは名前の通り、空になったら送り返すことで再利用できるもの。対してワンウェイボトルは、ペットボトルのように小さく折りたたんで自分で処分できる使い捨てのものです。
どちらも基本的には衛生面を重視したものになっていますが、心配であればワンウェイボトルを選ぶのもひとつの手。
またワンウェイボトルにはパックタイプのものや、水を使った分だけつぶれることで内部の真空を維持する効果を備えたものも多いです。
コンパクトさもさることながら、空気に触れないことをメリットと捉える人も多いのではないでしょうか?
その分料金は高めなのがデメリットですが、ウォーターサーバーに求める項目によっては余りある利点があるのがワンウェイボトルですね。
もちろんメーカーごとに厳重な衛生対策がなされているものなので、まずは公式サイトなどをしっかり確認するのがおすすめです。
水は1日のうちで何度も口にするもの。
風味が変わっているかもしれないものを飲むのは気が引けますし、何より飲用水は健康と安全に直結するので、できれば賞味期限を守って美味しく頂きたいものですね。
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