ミネラルウォーターにも種類があるの?

ミネラルウォーターにも種類があるの?

コンビニやドラッグストアなど、街中の至る所で販売されているミネラルウォーター。様々なメーカーからたくさんの商品が発売されていますし、ウォーターサーバーから飲めるものもありますから、お気に入りの銘柄がある人も多いですよね。
最近では白神山地の湧き水やおいしいコシヒカリが育つ魚沼のお水など、ご当地ミネラルウォーターも人気を集めています。
無色透明で一見するとどれも同じに思えるミネラルウォーターですが、採水地や処理方法などによって4つの種類に分かれています。
また、よく耳にする「硬水」「軟水」のように、生活用水や飲料水をミネラル量など成分の違いで分類する機会も多いのです。
分類が違う水を飲み比べてみると、口当たりや風味が全然違うことも。
今回はミネラルウォーターの種類や硬度によるお水の違いについて詳しく解説します。

「ミネラルウォーター」も水の種類の1つ

一口に「水」と言っても、水道水や炭酸水、海洋深層水、塩素やミネラルなどの不純物を除去した純水に分類される「精製水」「RO水」など、様々な種類があります。ミネラルウォーターもそのうちの一つ。
では、ミネラルウォーターとはどういった水を指すのでしょうか?種類のことを知るうえで必要な「ミネラル」についての知識と一緒に確認していきましょう。

そもそもミネラルって何?

ミネラルとは、生体を構成する主要な4つの元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものをまとめた総称です。無機質とも言います。
ナトリウムやカルシウム、リン、カリウムなどが代表的な要素です。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンを多量ミネラル、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデンを微量ミネラルとして、推奨される接種基準を設定しています。

ミネラルウォーターの定義

ミネラルウォーターは、食品衛生法により「水のみを原料とする清涼飲料水」と定義されたもので、一般的にマグネシウムやカルシウムなどのミネラル分を含んでいるのが特徴です。
地層などから染み出したミネラル分が含まれている天然水や、ミネラル分を調整しているタイプなど、ミネラルウォーターの中にも複数の種類があります。

ミネラルウォーターの分類

ここからは、農林水産省局長通達の品質表示ガイドラインで定められるミネラルウォーターの種類について見ていきましょう。
普段よく買うミネラルウォーターのボトルと見比べて、どの種類に該当するのか確かめてみても楽しいですね。

ナチュラルウォーター

特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないものを「ナチュラルウォーター」といいます。
当然ミネラル分の調整処理はなされていないので、含有ミネラルが少なかったり、ミネラルを含まなかったりすることもあるようです。

ナチュラルミネラルウォーター

ナチュラルウォーターに分類されるもののうち、ミネラル分が天然の状態で溶け込んでいる水のことを別に「ナチュラルミネラルウォーター」と言います。
地層中のミネラルが地表から浸透し、地下を移動中又は地下に滞留中に水に溶け込んだもののことを指しています。
天然の二酸化炭素も溶け込んでいて発泡性がある場合も、ナチュラルミネラルウォーターに分類されます。

ミネラルウォーター

ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させることなどを理由にミネラルを調整したり、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合などが行われたりしているものを「ミネラルウォーター」と呼びます。
ミネラルウォーターはナチュラルウォーターに含みません。

ボトルドウォーター

上記のいずれにも該当しない蒸留水や水道水、海洋深層水などをボトリングしたものを「ボトルドウォーター」と呼びます。

水の味わいを決める「硬度」

水の味わいを決める「硬度」

ここまでは、ミネラルウォーターの種類について簡単にご説明してきました。
天然成分の味わいが楽しめるものや安定しておいしく飲めるものなど、さまざまな分類がありますね。
ところで、甘味やしょっぱさ、酸っぱさがあるわけではないのに、「おいしい」と感じる水に個人差があるのはなぜでしょうか?
実は、水の飲み心地を大きく左右するのが「硬水」「軟水」を決めるのに欠かせない「硬度」なんです。

硬度とは

「硬度」は、水1リットル中に含まれるミネラルの量を示す数値です。
水に含まれるミネラルは「カルシウムイオン」や「マグネシウムイオン」が主となるため、計算式上ではカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」と指しています。

硬水、軟水はどう決まる?

簡潔に言うと、ミネラルが多く含まれる水が硬水、あまり含まない水が軟水と呼ばれます。これらの中間に位置する中硬水という種類もあります。
ちなみに、東京の水道水の硬度は60mg/L前後で軟水に分類されます。

硬度を知って水の特徴を理解しよう!

硬水や軟水の特徴について、さらに詳しく見ていきましょう。

軟水とは

日本では硬度0~100mg/Lに該当する水が「軟水」と呼ばれます。
ミネラルが多すぎないため口当たりが柔らかく、消化器官への負担も少ないのが良いところ。
胃腸が未発達な赤ちゃんや胃腸機能が弱っている人も安心して飲むことができます。
米や野菜を柔らかくするほか、出汁を効かせる料理など、和食にピッタリの水です。

中硬水とは

日本では硬度101~300mg/Lに当たるものを中硬水と呼びます。
軟水と硬水のちょうど中間にあたる水で、軟水よりは飲みにくく硬水よりは飲みやすいのが特徴。
軟水にはミネラルの摂取効果を期待することができませんが、中硬水には適度にミネラルが含まれています。
体に負担をかけすぎず、不足しがちなミネラルを補いたい時に向いています。
また、硬水ほど味や匂いのくせが強くないため、お茶やコーヒー、和食にも使用することができます。

硬水とは

硬度301mg/L以上の水が硬水と呼ばれます。
ミネラル分が多く含まれていることが影響して、苦味や独特な味が特徴です。
飲みごたえはありますが、まろやかさはないため人によっては飲みにくく苦手な方も。
料理の際は硬い肉を柔らかくする性質やデンプンと結合する性質から、肉などの煮込み料理やパスタに使うのが向いています。

「鉱水」もある?

上で紹介した「硬水」と混同しがちな言葉が「鉱水」。
同じ読みの語句ですが、硬水は「水の硬度による分類」で、鉱水は「原水の種類による分類」だという点で全く異なる意味を持ちます。
鉱水はポンプ等により取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水を言いますので、ナチュラルミネラルウォーターの原料などを表す際に使います。

適度な硬水摂取は健康につながる!

適度な硬水摂取は健康につながる!

口当たりが軽い軟水に対し、硬水はマグネシウムの多さから重い飲みごたえが特徴。
軟水に慣れている日本人にとっては、生活に取り入れるにはハードルの高いものです。
しかし、ミネラルが不足しがちな日本人にとって、硬水は手軽にミネラルが補給できる便利なアイテム。
ミネラルは体内で合成できないため、食物として摂らなければなりません。不足した場合は欠乏症やさまざまな不調が発生します。
硬水にチャレンジしてみることで、健康的な生活への第一歩を踏み出せるかもしれませんね。
ただし、ミネラルには摂りすぎた場合過剰症や中毒を起こすものがありますので、適度な接種を心掛けましょう。

ミネラルウォーターを知って生活に取り入れよう

一口に「水」といっても、その種類は様々。
ミネラルウォーターの中にも多様な分類がありますし、含むミネラルの量によっても違いがあります。
それぞれの良さを知ることで水のメリットを上手に取り入れ、適した用途で水を役立てていきましょう。

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